相対論効果
Schrodinger方程式には相対性理論の効果は全く考慮されていない。(ref1)
相対性理論は粒子の速度が光速に近くなったときに重要になる。原子中の電子で考えると、原子核電荷が大きくなるほど(重元素になるほど)電子を引きつける力が大きくなり電子の速度は光速に近づく。その結果、相対論効果(relativistic effect)が現れる。
この効果は次のように電子に影響する。
1) s、p軌道は縮む。(内殻電子は相対論効果の影響が大きく、縮む。それらに直行するs、p軌道も縮む。)
2) d、f軌道は膨らむ。(dとf軌道は内殻と呼ばれるエネルギー帯での電子密度が低い。そのためdとf軌道にはたらく相対論効果は小さい。しかし縮むsとp軌道による遮蔽は強くなるためBohr半径が広がる。)
相対性理論を取り込んだ量子力学の基礎方程式はDirac方程式である。
続く。。。(なかなか難しい)
ref1) すぐできる量子化学計算ビギナーズマニュアル, p180,
ref) ナノシミュレーション技術ハンドブック, p126
[更新ログ]
2011/8/2
2011/8/6