分子軌道法
DFTと対比して述べられることが多い(と思われる)分子軌道法。
分子軌道法とは分子系の電子の状態に対するSchrodinger方程式を近似的に解く方法。(DFTは分子、結晶に限らない。)
多電子系のSchrodinger方程式は解くことができない(解析解が得られないだけでなく数値解すら計算量が膨大すぎて解けないことを意味していると理解している)。そこで独立電子近似(Hartree Fock近似とも言う)という近似を置くことで、多電子系での1電子波動関数を定義できる。この独立電子近似の基での1電子波動関数を計算するためのSchrodinger方程式をHartree Fock方程式と言う。
Hartree Fock法では全電子波動関数は個々の電子の分子軌道から構築したSlater行列式で表す。1つのSlater行列式で表すということは電子状態を1つの電子配置で表すことを意味する。電子配置は電子が詰まる分子軌道の組で表現され、この分子軌道の組を決める方程式がHartree Fock方程式。
ref) すぐできる量子化学計算ビギナーズマニュアル, pp10-16
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2011/8/6